testdata/mybook/contents/02-tutorial.re in review-retrovert-0.9.7 vs testdata/mybook/contents/02-tutorial.re in review-retrovert-0.9.8

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@@ -11,11 +11,11 @@ #@#//makechaptitlepage[toc=on] -== 用語の説明 +=={sec-terminology} 用語の説明 このあとの説明で使用する用語を紹介します。 : Starter Re:VIEW Starterのことです。 @@ -130,32 +130,32 @@ このファイルから「@<file>{lib/ruby/*.rb}」が読み込まれています。 : @<file>{sty/} @<LaTeX>{}で使うスタイルファイルが置かれるフォルダです。 #@# : @<file>{sty/jumoline.sty} #@# @<LaTeX>{}で使うスタイルファイルのひとつです。 -#@# : @<file>{sty/mycolophon.sty} -#@# 奥付@<fn>{fn-7ypmf}の内容が書かれたスタイルファイルです。 -#@# 奥付を変更したい場合はこのファイルを編集します。 + : @<file>{sty/mycolophon.sty} + 奥付@<fn>{fn-7ypmf}の内容が書かれたスタイルファイルです。 + 奥付を変更したい場合はこのファイルを編集します。 : @<file>{sty/mystyle.sty} ユーザが独自に@<LaTeX>{}マクロを定義・上書きするためのファイルです。 中身は空であり、ユーザが自由に追加して構いません。 : @<file>{sty/mytextsize.sty} PDFにおける本文の高さと幅を定義したファイルです。 @<LaTeX>{}では最初に本文の高さと幅を決める必要があるので、他のスタイルファイルから分離されてコンパイルの最初に読み込めるようになっています。 -#@# : @<file>{sty/mytitlepage.sty} -#@# 大扉@<fn>{fn-cq9ws}の内容が書かれたスタイルファイルです。 -#@# 大扉のデザインを変更したい場合はこのファイルを編集します。 - : @<file>{sty/starter.sty} + : @<file>{sty/mytitlepage.sty} + 大扉@<fn>{fn-cq9ws}の内容が書かれたスタイルファイルです。 + 大扉のデザインを変更したい場合はこのファイルを編集します。 + : @<file>{sty/starter*.sty} Starter独自のスタイルファイルです。 ここに書かれた@<LaTeX>{}マクロを変更したい場合は、このファイルを変更するよりも「@<file>{sty/mystyle.sty}」に書いたほうがバージョンアップがしやすくなります。 - : @<file>{sty/starter-headline.sty} - 章(Chapter)や節(Section)や項(Subsection)の@<LaTeX>{}マクロが定義されたファイルです。 +#@# : @<file>{sty/starter-headline.sty} +#@# 章(Chapter)や節(Section)や項(Subsection)の@<LaTeX>{}マクロが定義されたファイルです。 //footnote[fn-zuxns][原稿ファイルを置くフォルダ名は「@<file>{config.yml}」の「@<code>|contentdir: contents|」で変更できます。] -#@#//footnote[fn-7ypmf][@<em>{奥付}とは、本のタイトルや著者や出版社や版や刷などの情報が書かれたページのことです。通常は本のいちばん最後のページに置かれます。] -#@#//footnote[fn-cq9ws][@<em>{大扉}とは、タイトルページのことです。表紙のことではありません。] +//footnote[fn-7ypmf][@<em>{奥付}とは、本のタイトルや著者や出版社や版や刷などの情報が書かれたページのことです。通常は本のいちばん最後のページに置かれます。] +//footnote[fn-cq9ws][@<em>{大扉}とは、タイトルページのことです。表紙のことではありません。] == 原稿の追加と変更 原稿の追加と変更の方法を説明します。 @@ -167,13 +167,16 @@ プロジェクトのフォルダには、サンプルとなる原稿ファイルが存在します。 まずはこれを変更してみましょう。 - (1) まず、お好みのテキストエディタを使って「@<file>{mybook/contents/00-preface.re}」を開いてください。 - - (2) 次に、先頭の「@<code>{= はじめに}」の下に、何でもいいので適当なテキストを追加して(例:@<list>{6f3fh})、原稿ファイルを保存してください。 - - (3) 原稿ファイルを保存したら、MacならTerminal.app@<fn>{f90kk}、Windowsならコマンドプロンプトを開き、「@<code>{rake pdf}」(またはDockerを使っているなら「@<code>{rake docker:pdf}」)を実行してください。 + - (2) 次に、先頭の「@<code>{= はじめに}」の下に何か適当なテキストを追加して(例:@<list>{6f3fh})、原稿ファイルを保存してください。 + - (3) 原稿ファイルを保存したら、コンパイル@<fn>{fn-r19pw}しましょう。 + MacならTerminal.app@<fn>{f90kk}、Windowsならコマンドプロンプトを開き、「@<code>{rake pdf}」(またはDockerを使っているなら「@<code>{rake docker:pdf}」)を実行してください。 +//footnote[fn-r19pw][「コンパイル」とは、ここでは原稿ファイルからPDFファイル(またはHTMLやePub)を生成することです。このあとも使う用語なので覚えてください。また用語については@<secref>{sec-terminology}も参照してください。] + //list[6f3fh][原稿ファイルの内容]{ = はじめに @<b>{見ろ、人がゴミのようだ!} @<balloon>{追加} @@ -185,11 +188,12 @@ これで新しいPDFファイルが生成されるはずです。 生成された新しいPDFファイルを開き、さきほど追加した行が「はじめに」の章に表示されていることを確認してください。 //note[プロジェクトのフォルダに原稿ファイルがあるとコンパイルエラー]{ -原稿ファイルを「@<file>{contents/}」に置くよう設定している場合、もし原稿ファイル(@<file>{*.re})がプロジェクトのフォルダ(たとえば「@<file>{mybook/}」の直下)にあると、コンパイル@<fn>{fn-zt1bb}できずエラーになります。 +Starterのデフォルトでは、原稿ファイル(@<file>{*.re})を「@<file>{contents/}」フォルダに置くよう設定されています。 +この場合、もし原稿ファイルがプロジェクトのフォルダ(たとえば「@<file>{mybook/}」の直下)にあると、コンパイル@<fn>{fn-zt1bb}できずエラーになります。 エラーになるのは、Starterの仕組みに起因します。 Starterではコンパイル時に、「@<file>{contents/}」に置かれた原稿ファイル(@<file>{*.re})をプロジェクトフォルダの直下にコピーしてからコンパイルします)@<fn>{fn-g6oit}。 そのため、プロジェクトフォルダ直下に別の原稿ファイルがあるとコンパイル時に上書きしてしまう可能性があるため、あえてエラーにしているのです。 @@ -234,11 +238,11 @@ @<nop>{}== サンプル節タイトル 本文本文本文 //} -//note[原稿ファイルには番号をつけるべき?]{ +//note[原稿ファイルに番号をつけるべきか]{ この例では原稿ファイル名を「@<file>{01-test.re}」にしました。 しかしファイル名に「@<file>{01-}」のような番号は、必ずしもつける必要はありません(つけてもいいし、つけなくてもいい)。 ファイル名に番号をつけるのは、利点と欠点があります。 @@ -341,11 +345,11 @@ //} ==={subsec-compileerror} コンパイルエラーになったら -PDFファイルを生成するときにエラーになったら、以下の点を確認してください。 +PDFファイルの生成がエラーになったら、以下の点を確認してください。 * インライン命令がきちんと閉じているか * ブロック命令の引数が足りているか、多すぎないか * 「@<code>|//}|」が足りてないか、または多すぎないか * 「@<code>|@@<nop>{}<fn>{}|」や「@<code>|@@<nop>{}<img>{}|」や「@<code>|@@<nop>{}<table>{}|」のラベルが合っているか @@ -356,12 +360,34 @@ * 原稿ファイル名を間違っていないか * 原稿ファイルの文字コードがUTF-8になっているか 詳しくは@<secref>{05-faq|sec-compileerror}を見てください。 +それでもエラーになる場合は、中間ファイルを削除してみましょう。 +たとえばプロジェクト名が「@<file>{mybook}」だったら、「@<file>{mybook-pdf}」というフォルダが作られているはずです。 +これを削除してから、コンパイルし直してみてください。 +//terminal[][中間ファイルを削除してコンパイルし直す]{ +$ @<userinput>{rm -rf mybook-pdf} @<balloon>{中間ファイルを削除して、} +$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{コンパイルし直す} +//} +それでもダメなら、「@<hlink>{https://twitter.com/search?q=%23reviewstarter, #reviewstarter}」というタグでツイートしていただければ、相談に乗ります。 + + +=== 文章をチェックする + +Starterでは、「textlint」というツールを使って原稿の文章をチェックできます。 + +たとえば「Starterを使うときれいなPDFを作成@<bou>{することが}できます」という文章は、「Starterを使うときれいなPDFを作成@<bou>{できます}」のように簡潔にできます。 +このような指摘を行ってくれるのがtextlintです。 + +textlintをStarterのプロジェクトで使う方法は、@<secref>{06-bestpractice|sec-textlint}で解説しています。 +今はまだtextlintを使う必要はありませんが、Starterに慣れてきたら使ってみてください。 + + + =={sec-basicsyntax} 基本的な記法 原稿ファイルは、ある決まった書き方(記法)に従って記述します。 たとえば、次のような記法があります。 @@ -377,31 +403,31 @@ === コメント 行コメントは「@<code>{#@#}」で、また範囲コメントは「@<code>{#@+++}」と「@<code>{#@---}」で表します。 どちらも行の先頭から始まってないと、コメントとして認識されません。 -//list[][サンプル]{ -本文1 -@<b>|#@#|本文2 -本文3 +//list[][サンプル][]{ +本文1。 +@<b>|#@#|本文2。 +本文3。 @<b>|#@+++| -本文4 +本文4。 @<b>|#@---| -本文5 +本文5。 //} //sampleoutputbegin[表示結果] -本文1 -#@#本文2 -本文3 +本文1。 +#@#本文2。 +本文3。 #@+++ -本文4 +本文4。 #@--- -本文5 +本文5。 //sampleoutputend @@ -412,24 +438,26 @@ 空行があると、新しい段落になります。 改行は無視されるか、または半角空白扱いになります。 通常は1文ごとに改行して書きます。 -//list[][サンプル]{ -言葉を慎みたまえ!君はラピュタ王の前にいるのだ! +//list[][サンプル][]{ +言葉を慎みたまえ。君はラピュタ王の前にいるのだ。 -これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね。見せてあげよう、ラピュタの雷を! +これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね。 +見せてあげよう、ラピュタの雷を! 旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ。 ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね。 //} //sampleoutputbegin[表示結果] -言葉を慎みたまえ!君はラピュタ王の前にいるのだ! +言葉を慎みたまえ。君はラピュタ王の前にいるのだ。 -これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね。見せてあげよう、ラピュタの雷を! +これから王国の復活を祝って、諸君にラピュタの力を見せてやろうと思ってね。 +見せてあげよう、ラピュタの雷を! 旧約聖書にあるソドムとゴモラを滅ぼした天の火だよ。 ラーマヤーナではインドラの矢とも伝えているがね。 //sampleoutputend @@ -442,11 +470,11 @@ === 見出し 章(Chapter)や節(Section)といった見出しは、「@<code>{= }」や「@<code>{== }」で始めます。 また章には概要を書くといいでしょう。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|=| 章(Chapter)見出し @<b>|//abstract{| 章の概要。 @<b>|//}| @@ -472,11 +500,12 @@ === 箇条書き 番号なし箇条書きは「@<code>{ * }」で始めます(先頭に半角空白が必要)。 -//list[][サンプル]{ +//needvspace[latex][6zw] +//list[][サンプル][]{ @<b>| * |箇条書き1 @<b>| * |箇条書き2 @<b>| ** |入れ子の箇条書き @<b>| *** |入れ子の入れ子 //} @@ -493,11 +522,11 @@ 番号つき箇条書きは「@<code>{ 1. }」のように始める方法と、「@<code>{ - A. }」のように始める方法があります(どちらも先頭に半角空白が必要)。 後者では番号の自動採番はされず、指定された文字列がそのまま出力されます。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|1.| この記法では数字しか指定できず、 @<b>|2.| また入れ子にもできない。 @<b>|- (A)| この記法だと、英数字だけでなく @<b>|- (B)| 任意の文字列が使える @@ -526,11 +555,11 @@ 用語リスト(HTMLでいうところの「@<code>{<dl><dt><dd>}」)は、「@<code>{ : }」で始めて@<fn>{axm3t}、次の行からインデントします@<fn>{diwmv}。 //footnote[axm3t][先頭の半角空白は入れるようにしましょう。過去との互換性のため、先頭の半角空白がなくても動作しますが、箇条書きとの整合性のために半角空白を入れることを勧めます。] //footnote[diwmv][説明文のインデントは、半角空白でもタブ文字でもいいです。] -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>| : |用語1 説明文。 説明文。 @<b>| : |用語2 説明文。 @@ -556,21 +585,21 @@ === 太字と強調 太字は「@<code>|@@<nop>{}<b>{...}|」で囲み、強調は「@<code>|@@<nop>{}<B>{...}|」または「@<code>|@@<nop>{}<strong>{...}|」で囲みます。 強調は、太字になるだけでなくフォントがゴシック体になります。 -//list[][サンプル]{ -テキスト@<b>|@@<nop>$$<b>{|テキスト@<b>|}|テキスト +//list[][サンプル][]{ +テキスト@<b>|@@<nop>$$<b>{|テキスト@<b>|}|テキスト。 -テキスト@<b>|@@<nop>$$<B>{|テキスト@<b>|}|テキスト +テキスト@<b>|@@<nop>$$<B>{|テキスト@<b>|}|テキスト。 //} //sampleoutputbegin[表示結果] -テキスト@<b>{テキスト}テキスト +テキスト@<b>{テキスト}テキスト。 -テキスト@<B>{テキスト}テキスト +テキスト@<B>{テキスト}テキスト。 //sampleoutputend @@ -597,19 +626,29 @@ #@#//} //} +=== 等幅フォント + +文字列を等幅フォントで表示するには、「@<code>|@@<nop>{}<tt>{...}|」を使います。 +ただしこれを使うことはお勧めしません。 +それよりも、それぞれの用途に合ったインライン命令を使いましょう。 + + * プログラムコードやコマンド文字列を表すには「@<code>|@@<nop>{}<code>{...}|」を使ってください。 + * ファイル名を表すには「@<code>|@@<nop>{}<file>{...}|」を使ってください。 + + === プログラムリスト プログラムリストは「@<code>|//list[ラベル][説明文]{ ... //}|」で囲みます。 * ラベルは、他と重複しない文字列にします。 * 「@<code>|@@<nop>{}<list>{ラベル名}|」のようにプログラムリストを参照できます。 * 説明文に「@<code>{]}」を含める場合は、「@<code>{\]}」のようにエスケープします。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ サンプルコードを@<b>|@@<nop>$$<list>{fib1}|に示します。 @<b>|//list[fib1][フィボナッチ数列]|{ def fib(n): return n if n <= 1 else fib(n-1) + fib(n-2) @@ -627,19 +666,19 @@ //sampleoutputend -第1引数も第2引数も、省略できます。 +第1引数と第2引数のどちらも、省略できます。 たとえば第1引数だけを省略するには「@<code>|//list[][説明]{|」のようにします。 両方とも省略するには「@<code>|//list[][]{|」または「@<code>|//list{|」のようにします。 またプログラムリストの中で、インライン命令が使えます。 たとえば次の例では、追加した箇所を「@<code>|@@<nop>{}<b>{...}|」で@<fn>{0hz8w}、削除した箇所を「@<code>|@@<nop>{}<del>{...}|」で表しています。 //footnote[0hz8w][プログラムリストの中では、「@<code>|@@<nop>{}<B>{}|」(強調)ではなく「@<code>|@@<nop>{}<b>{}|」(太字)を使ってください。なぜなら、「@<code>|@@<nop>{}<B>{}|」を使うとフォントが等幅フォントからゴシック体に変更されてしまい、表示がずれてしまうからです。] -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ /@<nop>$$/list{ function fib(n) { @<b>{@@<nop>$$<del>|}if (n <= 1) { return n; }@<b>{|} @<b>{@@<nop>$$<del>|}else { return fib(n-1) + fib(n-2); }@<b>{|} @<b>{@@<nop>$$<b>|}return n <= 1 ? n : fib(n-1) + fib(n-2);@<b>{|} @@ -659,12 +698,16 @@ //sampleoutputend +その他、行番号をつけたり外部ファイルを読み込んだりできます。 プログラムコードについての詳細は@<secref>{03-syntax|sec-program}を参照してください。 +また出力結果を表す「@<code>|//output|」という命令もあります。 +詳細は@<secref>{03-syntax|subsec-output}を参照してください。 + //note[ブロック命令]{ 「@<code>|//list{ ... //}|」のような形式の命令を、@<B>{ブロック命令}といいます。 ブロック命令は入れ子にできますが(Starterによる拡張)、できないものもあります。 詳細は@<secref>{03-syntax|subsec-blockcmd}を見てください。 //} @@ -674,11 +717,11 @@ ターミナル(端末)の画面は、「@<code>|//terminal{ ... //}|」を使います。 次の例では、引数にラベル名と説明文字列を指定します。 また「@<code>|@@<nop>{}<userinput>{...}|」はユーザ入力を表します。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|//terminal[term-1][PDFを生成]{| $ @@<nop>$$<userinput>{rake pdf} @@<nop>$$<balloon>{Dockerを使わない場合} $ @@<nop>$$<userinput>{rake docker:pdf} @@<nop>$$<balloon>{Dockerを使う場合} @<b>|//}| //} @@ -702,12 +745,13 @@ === 脚注 脚注は、脚注をつけたい箇所に「@<code>|@@<nop>{}<fn>{ラベル}|」をつけ、段落の終わりに「@<code>|//footnote[ラベル][脚注文]|」を書きます。 +脚注文の中では「@<code>|]|」を「@<code>|\]|」と書いてください。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ 本文テキスト@<b>|@@<nop>$$<fn>{fn-12}|。 @<b>|//footnote[fn-12][このように脚注文を書きます。]| //} @@ -728,11 +772,11 @@ * 画像ファイルは「@<file>{images/}」フォルダに置きます。 * 画像ファイルの拡張子は指定しません。 * ラベルを使って「@<code>|@@<nop>{}<img>{ラベル}|」のように参照できます。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|//image[tw-icon][サンプル画像][scale=0.3]| //} //sampleoutputbegin[表示結果] @@ -748,12 +792,12 @@ === ノート Starterでは、本文を補足する文章を「ノート」という囲み枠で表します。 -//list[][サンプル]{ -/@<nop>$$/note[ムスカの苦手なもの]{ +//list[][サンプル][]{ +@<b>|//note|[ムスカの苦手なもの]{ 実は、ムスカには「虫が苦手」という公式な設定があります。 有名な『読める、読めるぞ!』のシーンでムスカが顔の周りに群がるハエを追い払うのは、邪魔だったからだけでなく、虫が苦手だったからです。 /@<nop>$$/} //} @@ -769,21 +813,62 @@ ノート本文には箇条書きやプログラムコードを埋め込めます。 詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-note}を参照してください。 +また、補足情報や注意喚起や警告を表す囲み枠もあります。 +詳しくは@<secref>{03-syntax|subsec-miniblock}を参照してください。 +//list[][サンプル][]{ +@<b>|//info|[解決のヒント]{ +本製品を手に取り、古くから伝わるおまじないを唱えてみましょう。 +すると天空の城への門が開きます。 +/@<nop>$$/} + +@<b>|//caution|[使用上の注意]{ +本製品を石版にかざすと、天空の城から雷が発射されます。 +周りに人がいないことを確かめてから使用してください。 +/@<nop>$$/} + +@<b>|//warning|[重大な警告]{ +本製品を持ったまま滅びの呪文を唱えると、天空の城は自動的に崩壊します。 +大変危険ですので、決して唱えないでください。 +/@<nop>$$/} +//} + +//sampleoutputbegin[表示結果] + +//info[解決のヒント]{ +本製品を手に取り、古くから伝わるおまじないを唱えてみましょう。 +すると天空の城への門が開きます。 +//} + +//caution[使用上の注意]{ +本製品を石版にかざすと、天空の城から雷が発射されます。 +周りに人がいないことを確かめてから使用してください。 +//} + +//warning[重大な警告]{ +本製品を持ったまま滅びの呪文を唱えると、天空の城は自動的に崩壊します。 +大変危険ですので、決して唱えないでください。 +//} + +//sampleoutputend + + + + === 表 表は、次のように書きます。 * 「@<code>|//table[ラベル][説明文]{ ... //}|」で囲みます。 * セルは1つ以上のタブで区切ります。 * ヘッダの区切りは「@<code>{-}」または「@<code>{=}」を12個以上並べます。 * ラベルを使って「@<code>|@@<nop>{}<table>{ラベル}|」のように参照できます。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|//table[tbl-31][サンプル表]{| Name Val1 Val2 @<b>|--------------------| AA 12 34 BB 56 78 @@ -802,18 +887,19 @@ //sampleoutputend PDFではセルの右寄せ・左寄せ・中央揃えができます。 +またCSVファイルからデータを読み込めます。 詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-table}を参照してください。 === 数式 @<LaTeX>{}の書き方を使って数式を記述できます。 -//list[][サンプル]{ +//list[][サンプル][]{ @<b>|//texequation[euler][オイラーの公式]{| e^{i\theta} = \sin{\theta} + i\cos{\theta} @<b>|//}| @<b>|@@<nop>$$<m>$\theta = \pi$|のときは@<b>|@@<nop>$$<m>$e^{i\pi} = -1$|となり、これはオイラーの等式と呼ばれます。 @@ -832,38 +918,166 @@ 詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-mathexpr}を参照してください。 +=== 会話形式 +Starterでは、会話形式も書けます。 +会話形式は、アイコン画像を使う方法と使わない方法があります。 + +//list[][サンプル][]{ +@<b>|//talklist{| +@<b>|//talk[avatar-b]|{ +あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったんです。 +/@<nop>$$/} +@<b>|//talk[avatar-g]|{ +いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…… +あなたの心です。 +/@<nop>$$/} +@<b>|//}| +//} + +//sampleoutputbegin[表示結果] + +//talklist{ +//talk[avatar-b]{ +あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったんです。 +//} +//talk[avatar-g]{ +いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…… +あなたの心です。 +//} +//} + +//sampleoutputend + + + +//list[][サンプル][]{ +@<b>|//talklist{| +@<b>|//talk[][クラリス]|{ +あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったんです。 +/@<nop>$$/} +@<b>|//talk[][銭形警部]|{ +いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…… +あなたの心です。 +/@<nop>$$/} +@<b>|//}| +//} + +//sampleoutputbegin[表示結果] + +//talklist{ +//talk[][クラリス]{ +あの方は何も盗らなかったわ。私のために闘ってくださったんです。 +//} +//talk[][銭形警部]{ +いや、ヤツはとんでもないものを盗んでいきました…… +あなたの心です。 +//} +//} + +//sampleoutputend + + + +詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-talk}を参照してください。 + +//note[白黒印刷でも判別できる画像を使う]{ +このサンプルでは、色が違うだけのアイコン画像を使っています。 +そのせいで、白黒印刷すると誰が誰だか判別できなくなります。 +もし白黒印刷するなら、色に頼らず判別できるようなアイコン画像を使いましょう。 +//} + +//needvspace[latex][4zw] +//note[会話形式にしても分かりやすくはならない]{ +@<B>{会話形式を採用しても、説明が分かりやすくなるとは限りません。} +会話形式にすると楽しさや親しみやすさを向上できますが、それは説明の分かりやすさとは違います。 + +会話形式だけど説明がよく分からない本はたくさんあります。 +先生役や先輩役のキャラクターが何かの説明をして、それが読者には伝わっていないのに、生徒役や後輩役のキャラクターが「なるほど!」とか「そういうことか!」と言っているような本、見たことありませんか? +先生や先輩の説明を苦もなく理解できるほどの優秀な生徒や後輩は、本の中にしかいません。 + +同様のことはマンガ形式にもいえます。 +分かりやすく説明したいなら分かりやすく説明する技術を学ぶべきであり、マンガにしたり会話形式にすることではありません。 + +たとえば、『@<href>{https://www.c-r.com/book/detail/1108, わかばちゃんと学ぶ Git使い方入門}』が分かりやすいのはマンガだからではなく、分かりやすく説明する技術を作者の湊川先生が身につけているからです@<fn>{fn-pwgc3}。 +@<B>{分かりやすく説明できる人がたまたまマンガで説明しているから分かりやすいのであって、マンガや会話形式にすれば何でも分かりやすくなるわけではありません。} +ここを履き違えないようにしましょう。 +//} + +//footnote[fn-pwgc3][@<href>{https://www.youtube.com/watch?v=t2eiA2ylNW0, 湊川先生による文章改善の発表動画}を見ると、分かりやすく説明する技術を先生自身が持っていることがよく分かります。] + + +=== 用語、索引 + +用語は「@<code>|@@<nop>{}<term>{用語名((よみかた))}|」のように書くとゴシック体で表示され、かつ本の巻末の索引に載ります。 +ゴシック体にするけど索引に載せないなら「@<code>|@@<nop>{}<termnoidx>{用語名}|」、ゴシック体にせず索引に載せるなら「@<code>|@@<nop>{}<idx>{用語名((よみかた))}|」、索引に載せるけど表示はしないなら「@<code>|@@<nop>{}<hidx>{用語名((よみかた))}|」とします。 + +索引は、デフォルトではオフになっています。 +索引を使うには、@<file>{config.yml}で「@<code>|makeindex: true|」を設定してください(370行目ぐらいにあります)。 +索引は@<LaTeX>{}の機能を使うので、今のところPDFでしかサポートされません。 +また索引機能をオンにすると@<LaTeX>{}のコンパイル回数が増えるので、コンパイル時間が延びます。 +原稿執筆中はオフにし、完成間近になったらオンにするといいでしょう。 + +なお索引に登録する用語が何もない場合は、索引を使おうとするとコンパイルエラーになります。 +本文に1つでも「@<code>|@@<nop>{}<term>{}|」や「@<code>|@@<nop>{}<idx>{}|」を入れてから索引機能を有効化してください。 + +Starterでは索引語の親子関係を指定したり、ページ番号のかわりに「〜を見よ」と指定できます。 +詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-term}を参照してください。 + + +=== 単語展開 + +キーを単語に展開できます。 +たとえば辞書ファイル「@<file>{data/words.txt}」の中に、キー「apple」に対応した単語「アップル」が登録されているとします。 +すると、本文に「@<code>|@@<nop>{}<w>{apple}|」と書くと「アップル」に展開されます。 +「@<code>|@@<nop>{}<wb>{apple}|」なら展開して太字になります。 +また「@<code>|@@<nop>{}<W>{apple}|」なら展開して強調表示します。 +#@#「@<code>|@@<nop>{}<wb>{apple}|」なら展開して太字になります(「@<code>|@@<nop>{}<b>{@@<nop>{}<w>{apple}}|」と同じです)。 +#@#また「@<code>|@@<nop>{}<W>{apple}|」なら展開して強調表示します(「@<code>|@@<nop>{}<B>{@@<nop>{}<w>{apple}}|」と同じです)。 + +この機能は、表記が定まっていない単語に使うと便利です。 +たとえば「Apple」と「アップル」のどちらの表記にするか悩んでるなら、本文には `@<w>{apple}` と書いておけば、あとから辞書の中身を変えるだけでどちらの表記にも対応できます。 + +詳しくは@<secref>{03-syntax|sec-words}を参照してください。 + + + =={sec-pdftype} 印刷用PDFと電子用PDF Starterでは、印刷用と電子用とを切り替えてPDFファイルを生成できます。 両者の違いはあとで説明するとして、まず印刷用と電子用のPDFファイルを生成する方法を説明します。 === 印刷用と電子用を切り替えてPDFを生成する -Starterでは、環境変数「@<code>{$STARTER_TARGET}」を設定することで印刷用と電子用とを切り替えます。 +Starterでは、印刷用と電子用とを切り替えてPDFを生成できます(デフォルトは印刷用)。 +具体的には次のどれかを行います@<fn>{fn-0xkt4}。 + * 「@<code>|rake pdf @<b>{t=pbook}|」を実行すると印刷用PDFが生成され、「@<code>|rake pdf @<b>{t=ebook}|」@<fn>{fn-3pf5z}を実行すると電子用PDFが生成される。 + * 環境変数「@<code>{$STARTER_TARGET}」を「@<code>|pbook|」に設定してから「`rake pdf`」を実行すると印刷用PDFが生成され、「@<code>|ebook|」に設定してから実行すると電子用PDFが生成される。 + * 「@<file>{config-starter.yml}」に設定項目「@<code>{target:}」があるので、これを「@<code>{pbook}」(印刷用)または「@<code>{ebook}」(電子用)に設定する。 + +//footnote[fn-0xkt4][強制力はこの順序であり、設定ファイルより環境変数のほうが、また環境変数より`rake`コマンドのオプションのほうが優先されます。] +//footnote[fn-3pf5z][「@<code>{pbook}」は「printing book」、「@<code>{ebook}」は「electronic book」を表します。] + //terminal[][macOSやLinuxの場合@<fn>{fn-3pf5z}]{ +$ @<userinput>{rake pdf @<b>{t=pbook}} @<balloon>{印刷用PDFを生成} +$ @<userinput>{rake pdf @<b>{t=ebook}} @<balloon>{電子用PDFを生成} +## または $ @<userinput>{@<b>{export STARTER_TARGET=pbook}} @<balloon>{印刷用に設定} $ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{またはDockerを使うなら rake docker:pdf} - $ @<userinput>{@<b>{export STARTER_TARGET=ebook}} @<balloon>{電子用に設定} $ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{またはDockerを使うなら rake docker:pdf} //} -//footnote[fn-3pf5z][「@<code>{pbook}」は「printing book」、「@<code>{ebook}」は「electronic book」を表します。] - Windowsの場合は、「@<code>{set STARTER_TARGET=pbook}」や「@<code>{set STARTER_TARGET=ebook}」を使って環境変数を設定してください。 -または、「@<file>{config-starter.yml}」に設定項目「@<code>{target:}」があるので、これを「@<code>{pbook}」(印刷用)または「@<code>{ebook}」(電子用)に設定してもいいです。 +環境変数を未設定に戻すには、次のようにします。 -ただし、この設定よりも環境変数「@<code>{$STARTER_TARGET}」のほうが優先されます。 -設定ファイルを変更しても切り替わらなくて困った場合は、環境変数を未設定に戻しましょう。 - //terminal[][macOSやLinuxの場合]{ $ @<userinput>{@<b>{unset STARTER_TARGET}} @<balloon>{環境変数を未設定に戻す} //} @@ -877,108 +1091,114 @@ : 左右の余白幅 印刷用では、左右の余白幅が異なります。 具体的には、見開きにおいて内側の余白を約2cm、外側の余白を約1.5cmにしています@<fn>{fn-yuyf5}。 これは見開きでの読みやすさを確保したうえで本文幅をできるだけ広げるための工夫です。@<br>{} 電子用では見開きを考慮する必要がないので、左右の余白幅は同じに設定されます。 -: 表紙 + : ノンブル + 印刷用には自動的にノンブルがつき、電子用にはつきません。 + 「ノンブル」とはすべてのページにつけられる通し番号であり、印刷所に入稿するときに必要です。 + ノンブルについての詳細は@<secref>{05-faq|sec-nombre}を参照してください。 + : 表紙 印刷用では、表紙がつきません。 なぜなら、表紙のPDFファイルは本文とは別にして印刷所に入稿するからです。@<br>{} 電子用では、(設定されていれば)表紙がつきます@<fn>{fn-yybgl}。 //footnote[fn-8w0hm][カラーの設定は「@<file>{sty/starter-color.sty}」を見てください。変更する場合はこのファイルではなく「@<file>{sty/mystyle.sty}」に書くといいでしょう。] //footnote[fn-yuyf5][余白幅は初期設定によって多少の違いがあります。設定の詳細は「@<file>{sty/mytextsize.sty}」を見てください。] //footnote[fn-yybgl][表紙のつけ方は@<secref>{04-customize|subsec-coverpdf}を見てください。] -またこれらの違いに加えて、印刷用PDFファイルにはノンブルをつける必要があります。 -詳しくは次で説明します。 -=== ノンブル +=={sec-preview} 高速プレビュー -「ノンブル」とは全ページにつける通し番号のことです。 -ページ番号と似ていますが、次のような違いがあります。 +ページ数が多くなると、PDFファイルへのコンパイルに時間がかかるようになり、執筆に支障が出ます。 - * ページ番号は目次と本文で番号が連続してなかったり、空白ページにはついてなかったりするので、通し番号にはなっていません。 - ノンブルは全ページを通じて連続した番号になっています。 - * ページ番号は読者のためにあるので、ページ内で目につくところに置かれます。 - ノンブルは印刷所だけが分かればいいので(ページの順番を確認するため)、ページ内で目立たない場所に小さく置かれます。 +ここでは高速にプレビューするための機能を紹介します。 -詳しくは「ノンブル qiita.com」でGoogle検索してください。 -印刷所に入稿するPDFファイルには、ノンブルが必要になることがあります。 -ノンブルが必要かどうかは印刷所によって異なり、たとえば「日光企画」なら必須、「ねこのしっぽ」なら必須ではありません。 -詳しくは入稿先の印刷所に聞いてください。 +=== 指定した章だけをコンパイルする -Starterでは、PDFファイルにノンブルをつける機能が用意されています。 +Starterでは、指定した章(Chapter)だけを@<LaTeX>{}でコンパイルできます。 +これは章の数が多い場合や、著者が多数いる合同誌の場合にはとても効果的です。 +具体的には次のようにします。 -//terminal[][PDFファイルにノンブルをつける]{ -$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{PDFファイルを生成する} -$ @<userinput>{rake pdf:nombre} @<balloon>{PDFファイルにノンブルをつける} + * 「@<code>|rake pdf @<b>{c=03-syntax}|」のようにすると、「@<file>{03-syntax.re}」だけをコンパイルします。 + * または環境変数「@<code>|$STARTER_CHAPTER|」を設定する方法でも、章を指定できます。 + +//terminal[][例:03-syntax-faq.reだけをコンパイルする]{ +$ @<userinput>{@<b>{rake pdf c=03-syntax}} @<balloon>{「.re」はつけない} +### または +$ @<userinput>{@<b>{export STARTER_CHAPTER=03-syntax}} @<balloon>{「.re」はつけない} +$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{Dockerを使っているなら rake docker:pdf} //} -Dockerを使っている場合は、「@<code>{rake pdf:nombre}」のかわりに「@<code>{rake docker:pdf:nombre}」を使ってください。 -また「@<code>{rake pdf:nombre}」はノンブルをつけるだけであり、再コンパイルはしないので注意してください。 +コンパイルする章を指定したとき、Starterは次のような動作になります。 -なお「@<href>{https://kauplan.org/pdfoperation/, PDFOperation}」を使っても、PDFファイルにノンブルが簡単につけられます。 + * 他の章は無視されます。 + * 表紙や、目次や、大扉や、奥付も無視されます。 + * @<LaTeX>{}のコンパイル回数が1回だけになります(コンパイル時間を短縮するため)。 -//note[ノンブル用フォントの埋め込み]{ -残念ながら、「@<code>{rake pdf:nombre}」でノンブルをつけるとそのフォントがPDFファイルに埋め込まれません(これはPDFファイルを操作しているライブラリの限界によるものです)。 -そのため、印刷所に入稿するまえにフォントを埋め込む必要があります。 +なお「@<code>{$STARTER_CHAPTER}」を設定した場合、全体をコンパイルするときにはリセットしてください。 -対策方法は@<href>{https://kauplan.org/pdfoperation/}を見てください。 +//terminal[][全体をコンパイルする]{ +$ @<userinput>{@<b>{unset STARTER_CHAPTER}} @<balloon>{「$」はつけないことに注意} //} -=={sec-preview} 高速プレビュー +=== コンパイル回数を1回だけに制限する -ページ数が多くなると、PDFファイルへのコンパイルに時間がかかるようになり、執筆に支障が出ます。 +Re:VIEWおよびStarterでは、@<LaTeX>{}のコンパイルが最大で3回行われます@<fn>{mb3pa}。 -ここでは高速にプレビューするための機能を紹介します。 +//footnote[mb3pa][索引があると、コンパイル回数がもう1回増えます。] + * 1回目のコンパイルで章や節のページ番号が分かる。 + * 2回目のコンパイルで目次が作成される。 + * もし2回目のコンパイルでページ番号が変わると、3回目のコンパイルが行われる。 -=== 指定した章だけをコンパイルする +しかし、ページ番号が合ってなくてもいいからとにかく仕上がりを確認したい場面はよくあり、そんなときは3回もコンパイルされるのは時間の無駄です。 -Starterでは、環境変数「@<code>{$STARTER_CHAPTER}」を設定するとその章(Chapter)だけをコンパイルします。 -これは章の数が多い場合や、著者が多数いる合同誌の場合にはとても効果的です。 +そこでStarterでは、@<LaTeX>{}のコンパイル回数を制限する機能を用意しました。 -//terminal[][例:03-syntax-faq.reだけをコンパイルする]{ -$ @<userinput>{@<b>{export STARTER_CHAPTER=03-syntax}} @<balloon>{「.re」はつけない} -$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{Dockerを使っているなら rake docker:pdf} + * 「@<code>|rake pdf @<b>{n=1}|」のようにすると、@<LaTeX>{}のコンパイルが1回しか行われません。 + * または環境変数「@<code>|$STARTER_COMPILETIMES|」を「@<code>|1|」に設定する方法でも、同じように制限できます。 -$ @<userinput>{@<b>{STARTER_CHAPTER=03-syntax rake pdf}} @<balloon>{これでもよい} +//terminal[][@<LaTeX>{}のコンパイル回数を1回に制限してコンパイル]{ +$ @<userinput>{rake pdf @<b>{n=1} } +### または +$ @<userinput>{@<b>{STARTER_COMPILETIMES=1} rake pdf} //} -このとき、他の章は無視されます。 -また表紙や目次や大扉や奥付も無視されます。 -全体をコンパイルする場合は、「@<code>{$STARTER_CHAPTER}」をリセットしてください。 - -//terminal[][全体をコンパイルする]{ -$ @<userinput>{@<b>{unset STARTER_CHAPTER}} @<balloon>{「$」はつけないことに注意} -//} - - === 画像読み込みを省略するドラフトモード Starterでは、画像の読み込みを省略する「ドラフトモード」を用意しました。 ドラフトモードにすると、画像のかわりに枠線が表示されます。 こうすると、(@<LaTeX>{}のコンパイル時間は変わりませんが)DVIファイルからPDFを生成する時間が短縮されます。 -この機能は、図やスクリーンショットが多い場合や、印刷用に高解像度の画像を使っている場合は、特に効果が高いです。 +図やスクリーンショットが多い場合や、印刷用に高解像度の画像を使っている場合は、この機能は特に効果が高いです。 -ドラフトモードにするには、@<file>{config-starter.yml}で「@<code>{draft: true}」を設定するか、または環境変数「@<em>{$STARTER_DRAFT}」に何らかの値を入れてください。 +ドラフトモードにするには、次のどれを実行します@<fn>{fn-b5nlc}。 -//terminal[][ドラフトモードにしてPDFを生成する]{ -$ @<userinput>{export STARTER_DRAFT=1} @<balloon>{ドラフトモードをonにする} -$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{またはDocker環境なら rake docker:pdf} + * 「@<code>|rake pdf @<b>{d=on}|」でコンパイルする。 + * 環境変数「@<em>{$STARTER_DRAFT}」の値を「@<code>|on|」に設定してからコンパイルする。 + * @<file>{config-starter.yml}で「@<code>{draft: true}」を設定してからコンパイルする。 -$ @<userinput>{unset STARTER_DRAFT} @<balloon>{ドラフトモードをoffにする} +//footnote[fn-b5nlc][強制力はこの順序であり、設定ファイルより環境変数のほうが、また環境変数より`rake`コマンドのオプションのほうが優先されます。] + +//terminal[][画像読み込みを省略するドラフトモードでPDFを生成する]{ +$ @<userinput>{rake pdf @<b>{d=on}} @<balloon>{ドラフトモードをonにする} +### または +$ @<userinput>{export STARTER_DRAFT=on} @<balloon>{ドラフトモードをonにする} +$ @<userinput>{rake pdf} @<balloon>{またはDocker環境なら rake docker:pdf} //} -また「ドラフトモードにしてPDF生成時間を短縮したい、でもこの画像は表示して確認したい」という場合は、「@<code>|//image[...][...][@<b>{draft=off}]|」のように指定すると、その画像はドラフトモードが解除されてPDFに表示されます。 +環境変数の設定をクリアするには、「@<code>|unset STARTER_DRAFT|」を実行してください。 +また「ドラフトモードにしてPDF生成時間を短縮したい、でもこの画像は表示して確認したい」というときもあるでしょう。 +そんなときは「@<code>|//image[...][...][@<b>{draft=off}]|」のように指定すると、その画像はドラフトモードが解除されてPDFに表示されます。 + === 自動リロードつきHTMLプレビュー Starterでは、HTMLでプレビューするための機能を用意しました。 便利なことに、原稿を変更すると自動的にリロードされます。 PDFと比べてHTMLの生成はずっと高速なので、原稿執筆中に入力間違いを見つけるにはHTMLのほうが向いています。 @@ -996,13 +1216,13 @@ 原稿執筆中は、エディタのウィンドウの後ろにプレビュー画面が少し見えるようにするといいでしょう。 いくつか注意点があります。 * 表示はHTMLで行っているため、PDFでの表示とは差異があります。 - 執筆中はHTMLでプレビューし、区切りのいいところでPDFで表示を確認するといいでしょう。 + 執筆中はHTMLでプレビューし、区切りのいいところでPDFによる表示を確認するといいでしょう。 * 今のところ数式はプレビューできません。 * 変更が反映されるのは、開いているページと対応した原稿ファイルが変更された場合だけです。 たとえば「@<file>{foo.html}」を開いているときに「@<file>{foo.re}」を変更するとプレビューに反映されますが、別の「@<file>{bar.re}」を変更しても反映されません。 * 画面右上の「Rebuild and Reload」リンクをクリックすると、原稿ファイルが変更されていなくても強制的にコンパイルとリロードがされます。 * 原稿ファイルに入力間違いがあった場合は、画面にエラーが表示されます。 - エラー表示はあまり分かりやすくはないので、今後改善される予定です。 + エラー表示はあまり分かりやすくないので、今後改善される予定です。 * Webサーバを終了するには、Controlキーを押しながら「c」を押してください。