4.2. リモートアクセス

Groongaをサーバとして起動することにより、ネットワークを介してデータベースにアクセスできるようになります。groongaがサポートしているプロトコルは、Groongaの専用プロトコルであるGQTP、memcachedバイナリプロトコル、HTTPの三種類です。

4.2.1. Groonga専用プロトコル(GQTP)

4.2.1.1. GQTPサーバの起動

Groongaには、専用のプロトコルであるGQTPが存在します。GQTPを用いることにより、データベースへとリモートアクセスすることができます。以下の書式はGQTPサーバの起動方法を示しています。

書式:

groonga [-p PORT_NUMBER] -s DB_PATH

-s オプションはGroongaをサーバとして起動するためのオプションです。DB_PATHには既存のデータベースのパスを指定します。 -p オプションとその引数により、サーバのポート番号を指定することができます。ポート番号を省略した場合は10041が使用されます。

以下のコマンドにより、デフォルトのポート番号で待ち受けるサーバを起動することができます。サーバは指定されたデータベースへの操作を受け付けます。

実行例:

% groonga -s /tmp/groonga-databases/introduction.db
Ctrl-c
%

4.2.1.2. GQTPデーモンの起動

GQTPサーバはデーモンとして起動することができます。オプションとして、 -s の代わりに -d を与えてください。

書式:

groonga [-p PORT_NUMBER] -d DB_PATH

Groongaをデーモンとして起動したときは、デーモンのプロセスIDが表示されます。以下の例では、12345というプロセスIDが表示されています。サーバとして起動した場合と同様に、指定されたデータベースへの操作を受け付けます。

実行例:

% groonga -d /tmp/groonga-databases/introduction.db
12345
%

4.2.1.3. GQTPサーバへの接続

GQTPサーバに接続するクライアントは、以下のように起動します。

書式:

groonga [-p PORT_NUMBER] -c [HOST_NAME_OR_IP_ADDRESS]

上記のコマンドによって起動されたクライアントは、サーバとの接続に成功すると対話モードに入ります。HOST_NAME_OR_IP_ADDRESSにはサーバのホスト名もしくはIPアドレスを指定します。HOST_NAME_OR_IP_ADDRESSが省略されたときは"localhost"をサーバのホスト名として採用します。また、 -p オプションとその引数により、サーバのポート番号を指定することができます。ポート番号を省略した場合は10041が使用されます。

実行例:

% groonga -c
status
# [
#   [
#     0,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531
#   ],
#   {
#     "uptime": 0,
#     "max_command_version": 2,
#     "n_queries": 0,
#     "cache_hit_rate": 0.0,
#     "version": "4.0.1",
#     "alloc_count": 140,
#     "command_version": 1,
#     "starttime": 1395806078,
#     "default_command_version": 1
#   }
# ]
> ctrl-d
%

対話モードでは、標準入力からコマンドを読み込んで順次実行します。

4.2.1.4. GQTPサーバの終了

GQTPサーバを終了する安全は方法は、クライアントを起動して shutdown を発行することです。

実行例:

% groonga -c
> shutdown
%

4.2.2. memcachedバイナリプロトコル

Groongaはmemcachedバイナリプロトコルをサポートしています。以下の書式はmemcachedバイナリプロトコルのサーバをデーモンとして起動する方法を示しています。

書式:

groonga [-p PORT_NUMBER] -d --protocol memcached DB_PATH

--protocol オプションとその引数により、サーバのプロトコルを指定することができます。"memcached"はmemcachedバイナリプロトコルを示しています。

4.2.3. HTTP

4.2.3.1. HTTPサーバの起動

GroongaはHTTPをサポートしています。以下の書式はHTTPサーバをデーモンとして起動する方法を示しています。

書式:

groonga [-p PORT_NUMBER] -d --protocol http DB_PATH

--protocol オプションとその引数により、サーバのプロトコルを指定することができます。"http"はHTTPサーバの起動を指示しています。

以下のコマンドは、ポート番号80で待ち受けるHTTPサーバをデーモンとして起動します。

実行例:

% sudo groonga -p 80 -d --protocol http /tmp/groonga-databases/introduction.db
%

ノート

80番ポートで待ち受けるにはroot権限が必須です。1024番以降のポート番号にはそのような制限はありません。

4.2.3.2. HTTPサーバへのコマンド送信

GroongaがHTTPサーバとして起動されているときは、/d/COMMAND_NAME というURLにアクセスすることにより、コマンドを実行することができます。コマンドの引数は、HTTPのGETパラメータとして渡します。引数の書式は "?NAME_1=VALUE_1&NAME_2=VALUE_2&..." となります。

以下の例は、HTTPサーバに対するコマンドの送り方を示しています。

実行例:

http://HOST_NAME_OR_IP_ADDRESS[:PORT_NUMBER]/d/status
Executed command:
status
# [
#   [
#     0,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531
#   ],
#   {
#     "uptime": 1,
#     "max_command_version": 2,
#     "n_queries": 0,
#     "cache_hit_rate": 0.0,
#     "version": "4.0.1",
#     "alloc_count": 141,
#     "command_version": 1,
#     "starttime": 1395806078,
#     "default_command_version": 1
#   }
# ]
http://HOST_NAME_OR_IP_ADDRESS[:PORT_NUMBER]/d/select?table=Site&query=title:@this
Executed command:
select --table Site --query title:@this
# [
#   [
#     0,
#     1337566253.89858,
#     0.000355720520019531
#   ],
#   [
#     [
#       [
#         1
#       ],
#       [
#         [
#           "_id",
#           "UInt32"
#         ],
#         [
#           "_key",
#           "ShortText"
#         ],
#         [
#           "country",
#           "SiteCountry"
#         ],
#         [
#           "domain",
#           "SiteDomain"
#         ],
#         [
#           "link",
#           "Site"
#         ],
#         [
#           "links",
#           "Site"
#         ],
#         [
#           "location",
#           "WGS84GeoPoint"
#         ],
#         [
#           "title",
#           "ShortText"
#         ]
#       ],
#       [
#         1,
#         "http://example.org/",
#         "japan",
#         ".org",
#         "http://example.net/",
#         [
#           "http://example.net/",
#           "http://example.org/",
#           "http://example.com/"
#         ],
#         "128452975x503157902",
#         "This is test record 1!"
#       ]
#     ]
#   ]
# ]

4.2.4. ブラウザベースの管理ツール

GroongaをHTTPサーバとして起動しているときは、ブラウザベースの管理ツールを使うことにより、データベースを簡単に管理することができます。管理ツールを使いたいときは、ブラウザを使って http://HOST_NAME_OR_IP_ADDRESS[:PORT_NUMBER]/ へとアクセスしてください。管理ツールの使用には、JavaScriptの実行が有効になっている必要があります。

4.2.5. セキュリティ

Groongaのサーバには認証機能がありません。誰でもデータベースの内容を閲覧・修正することができます。iptablesなどを用いてアクセス元IPアドレスを制限することを推奨します。